2019年11月10日日曜日

刈込と剪定指導

快晴の秋晴れの中、剪定指導を行いました。
お父上の残された庭を、シルバーさんに頼んで剪定してもらったそうですが、どうも不満だったお客様。
「プロにちゃんとやってほしい」と依頼されましたが、「松だけは私の方でやりますので、その他の木は私が指導しますので、ご自分でされたらいかがですか?」と提案しました。
そうすれば剪定費用が安くすむだけでなく、これからずっと自分でやっていけるわけです。
私としても、地域の庭木の手入れができる人を増やしたいという願いが叶うというものです。
刈込や剪定はそれほど難しいことではありません。プロのように美しく仕上げるとなれば話は別ですが、ご自宅の庭を素人が手入れするのであれば、すぐに覚えられます。
ただし、全くの知識なしで適当にはじめると、大失敗するのがオチです。
植物の性質と道具の使い方、ちょっとしたコツだけはプロから知識と技術を教わってください。

今回のお客様、たいへん喜んでいただきました。
やってみたら、向上心が湧いてきたようで「また頼みたい」とのお言葉をいただきました。
青空の下で庭木との対話、気持ちいいですよね!

ツゲの刈り込み
充電式トリマーを購入したお客様。
使い方を教えたら、すぐに覚えてくれました。

シラカシの剪定
まずは脚立の立て方が大事です。
ケガの危険性が最も高いのがここ。

2019年10月20日日曜日

空き家の手入れ・田舎暮らし

こちらは中津川市の空き家です。
市内に住む奥さんの実家ということですが、もう誰も住んでいないとのことです。
でもその奥さん、最近TV番組の「ポツンと一軒家」を見ていつも涙が出ちゃうのだそう。
「田舎暮らしっていいな」「子どもの頃の田舎暮らしは良かったな」って。
こちらのお宅は、中津川市街地から車で10分もかからない所ですが、ポツン・・ポツン・・としか家がない里山地域です。
「生まれ育った実家をそのままにしておくのはいけないんじゃないか」と、手入れのご依頼がありました。

地元の移住定住委員でもある私は、「空き家バンク」への登録の提案をしました。
今、都会の若者は田舎への移住をしたい人が増えていて、住まないのならそういうことに役立ててほしいとお伝えしました。
お客様は、「どっちにしてもキレイにしとかなきゃね」と、剪定ゴミ集めを一緒に手伝ってくださいました。

いつも思いますが、田舎育ちの女性の無駄な動きのない働きには頭が下がります。
見習いの若い庭師の初めての仕事は剪定ゴミ掃除からですが、最初は何をどうしていいのか分からず、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして必ず親方に怒鳴りつけられます。
しかし田舎育ちの女性は要領が良く、すでにプロのレベルに達しています。田舎暮らしで地肩が鍛えられているのでしょう。
本当に大切なことは田舎での暮らしの中にあるって、いつも思います。

サザンカ垣根の刈り込み前

サザンカ垣根の刈り込み後
まだまだ住める家です。草刈りだけのためにあるのはもったいない。
誰かが住んでくれることで、この家を継いでくれることになるんだと思います。

2019年10月18日金曜日

太陽光発電施設周りの草刈りについて

恵那地域では、最近太陽光発電施設が急速に増えています。
私も自然エネルギーを利用して発電することには賛成しますが、山を切り崩して太陽光パネルを設置するのであれば、温暖化を助長し山の保水力を弱め、災害の危険性を高めてしまうということになり本末転倒だと感じます。

自宅や工場の屋根や、空いている敷地を利用するというのであれば賛成しますが、投資目的で田舎の環境や景観を損なってまで利益を得るというのには賛成できません。
当地域でも太陽光施設の設置に反対する運動がおきており、恵那市議会でも市民からの反対の声に、太陽光施設の設置を規制する条例が作られました。

そんな折、最近県外のお客様から、恵那・中津川市内の太陽光発電施設周りの草刈りの依頼が続いております。
依頼を受けたオーナーの皆さんには説明していますが、刈払い機を使っての草刈りを行なった場合、太陽光施設やフェンスに傷をつけたり、パネルに石が跳ねて壊してしまう危険性が高く、責任を負えないということでお断りさせていただいています。
刈払い機を使わずに手刈りをすることは可能ですが、相当日数がかかり、多分そこまでお支払いできないでしょうし、こちらもそんなに日程を空けることは難しいと思います。
その上で、私自身恵那の里山の自然が気に入って、都会から移住してきた者ですからなおさらです。


栗畑ごしに中央アルプスを眺める景色が好きでした

オーナーさんは、きっとこの光景を見たこともいないのでしょう

2019年10月11日金曜日

オリーブ・シラカシ・シマトネリコの剪定

建ててからまだ5年くらいでしょうか?
割と新築のお宅ですが、ほとんど手入れをしたことがない庭木のオリーブ・シラカシ・シマトネリコの剪定です。


オリーブ施工前
オリーブはなかなか暴れる木なので、放っておくとグッチャグチャになります。素人さんではどこから手をつけて良いか分からないと思います。
一本一本根気よく、絡んだ糸をほどいていくように剪定していきます。
おおよそ放射線状に伸びるように、反対を向いた枝や重なり合った枝(忌み枝と言います) などを外していきます。
家に近い側は人が通れるようにあまり伸びないようにしました。反対側は実家だそうなので、少しくらい出ても良いでしょう。

オリーブ施工後
この通りスッキリしました。
花芽も残してありますので、来年も少しは実をつけるでしょう。


シラカシ・シマトネリコ施工前

こちらはシラカシとシマトネリコです。
恵那市や中津川市は、冬はマイナス10℃になる寒冷地ですので、南国生まれのシマトネリコはあまり生育が良くないのです。なので、あまり強い剪定はできません。
シラカシをシマトネリコと同じくらいの高さにしました。
シラカシは非常に成長力があって、10mを超える大木になってしまいます。
そうならないよう、庭木として小さく育てるためにはコツがあります。
太い枝や、上向きの枝には強い成長力があり、それを元から外し、細い枝や横向きの枝を残すようにするということです。
そうしないと、翌年には尚反発してより大きくなってしまいます。
「切ってよし、伸びてよし」が目標とするところです。

シラカシ・シマトネリコ施工後
植物それぞれの性質や、家とのバランス、住んでいる人の想いなど、様々なことを考慮しながら、丁寧に仕事をしています。

ゴミは市のゴミ袋で出すということで、短く刻んで置いておきました。
ゴミ処理代不要ということで、15,000円ポッキリです。

2019年10月8日火曜日

ゴミ運搬処理

剪定ゴミや伐採ゴミは、軽トラにコンパネを立てて回収し、処理します。
こちらがゴミを積んでいる様子です。


後ろもコンパネを立てて、もう少し積めます。

以下は伐採ゴミを積んでいる様子です。


こちらはこのくらいでそろそろ重量オーバーです。
剪定ゴミや草ゴミのようにはたくさん積めません。

どれも軽トラ1台につき、5,000円になります。

2019年9月27日金曜日

栗拾い

恵那笠置山栗園にいます。
9月は栗の収穫で大忙しです。
あまりの広さに栗拾いが大変です。何と言っても日本一の栗園を作ろうとしただけのことはあります。
笠置山栗園では、栗拾いや栗の手入れを手伝ってくれるメンバーを随時募集しています。




栗園のメンバーは、気のいい人ばかりで作業はとても楽しいです。
今年はこの時期まで暑い日が続いて、地球はどうなっちゃうんだろうと心配になります。

2019年8月30日金曜日

剪定・草刈り指導

【美しい里山を守りたいけど一人では・・・】

岐阜県恵那中津川地区、いわゆる東美濃地域では、庭木を剪定してほしいという「需要」が、「供給」を圧倒的に超えています。
人口減少と少子高齢化による人手不足の状態です。

この地域ではかつて、庭の手入れは「お父さん」や「おじいさん」の仕事でした。
しかし、お父さんもおじいさんも、高齢になり脚立に乗るのは危なくなってしまいました。
それは造園業の親方も同じです。造園業を廃業する親方が後を絶ちません。
シルバー人材センターでも、元から高齢なのに更に高齢化が進んでいます。

そんなタイミングを好機と捉えて起業した「緑の便利屋さん 山奉仕」は、お陰様で順調に顧客を増やしていますが、独立二年目にして早くも仕事がやりきれないようになってきました。
この仕事を立ち上げる時の僕の目標は、「この地域に来た人たちが、『どうしてこんなにどの家の庭も田畑も山もこんなに美しいの?』」と聞かれたら、『山奉仕さんがおるからや』と誰もが答えてくれるようになること」でした。
しかしこの目標は、とてもとても、僕一人では達成できません。

【樹木剪定マニュアル 「山奉仕メソッド」をまとめている最中】

現在、仕事をしながら常に剪定のマニュアル化について考えています。大袈裟に言えば「山奉仕メソッド」です。
今までの職人の修行では、「見て覚えろ」や怒鳴りちらすばかりで無駄な時間を費やしているように思えてなりませんでした。
また、形や人間の都合ばかり考えて、植物の生態を無視した剪定が多いように感じていました。
もっとスマートに短期間で植物の真髄に入っていくことは可能だと思っています。
まだまだ「山奉仕メソッド」は探求中ですが、今自分が分かっていることを伝えながら、より深く分かりやすくしていけたらいいなと思っています。
一つだけ剪定のコツを紹介すると、すべての剪定に共通することは、「ほど良く『風と光』を入れる」ことです。

【自宅の剪定を覚えたい方を募集します】

その上で「自宅の庭木の剪定のしかたを教えてほしい」という方を募集します。
通常の剪定料金(一日15,000円)でご一緒に剪定を覚えましょう。

松・チャボヒバ・カシ・サザンカ・ツツジなどの和風の庭木の剪定や刈り込み
紅葉・ソヨゴ・アオダモ・桜などの雑木の庭木の剪定
松・桜など下手な所や時期で切ると枯れてしまう庭木の注意点
柿・栗・梅など実をつけたい果樹の剪定
ハサミ・ノコ・チェンソーの使い方と注意点
脚立の安全な使用方法

などなど、様々な疑問にお答えします。
栗農家さん・米農家さん・キャンプ場の管理人さん・年金生活者さんなど、休日・閑散期に日当を稼げるようになるために腕を磨きたいという方にも、指導いたします。

【草刈りを覚えたい方も同時に募集します】

また、特に都会からの移住者から、「刈払い機による草刈り講習会をしてほしい」という声を聞きます。

田舎暮らしには草刈りは必須です。草刈りをするとしないとで地域に溶け込む早さが全く違います。
移住者の皆さんもそれは感じているようで、でも「やり方を知らない」「難しそう」と困っているようです。
そんな人たち相手に、既に何度か草刈り講習会をやってみましたが、「楽しかった」「ためになった」「自分できれいにできて嬉しかった」と驚くほど好評です。
草刈りは女性でもできる難しくない作業ですが、コツを知っていると知らないとでは効率や仕上がりが全く違います。

そのコツを一つあげれば、電気掃除機や電気ひげそり機の使い方と同じで、『頑張るのは機械であってお前じゃない』ということです。
そして一瞬にして人を殺すこともできる大変危険な道具であることも忘れてはなりません。

ご自身の敷地で通常の料金(一日15,000円)で指導を受けながら、一緒に草刈りをしましょう。
人数が集められれば一人当たりの料金も安くなりますし、一気に広い範囲を終わらせることもできます。

【終わりに】

山の手入れや栗の剪定の講習会は毎年行われていますが、庭木剪定や草刈りの講習は今まであまり聞いたことがありませんでした。
草刈りも地元の若い人たちもあまりやっているところを見かけません。
気軽に教えを乞える人がまわりにいないのかも知れません。

この美しい里山を守りたいという人たち、「山奉仕活動」に参加してもらえる人たちを少しでも増やしていきたいと思っています。
そんな活動が地域の美しさを保ち、観光客が増えたり、移住者が来たくなったり、地元出身の若者が帰ってくることに繋がるのではないかと思っています。




2019年8月28日水曜日

2019この夏の剪定あれこれ

2019年この夏も暑かったですが、ボサボサに伸びた木の剪定の要望が多かったです。
夏は落葉樹の剪定にはあまり適していません。落葉樹は冬の方が適しています。
常緑樹の剪定や、ツツジやサツキの刈り込みも、初夏から夏に行った方が良いのです。

以下に施工写真を載せていますが、自慢できるものもあれば自慢できないものもあります。
言い訳がましいですが、まず私たち庭師は、それまでの素人の方による剪定の問題点を直すことから始めます。それが結構時間がかかるのです(汗)
その上で施主様それぞれの予算に合わせた剪定をします。
ただし、私にもポリシーがありまして、最低限の美しさや植物の成長を無視するような仕事はお断りさせていただいています。

剪定において大切にしていることは、日光と風が通るようにすること、それが病気や害虫を予防し植物が喜ぶことだと思っています。
また、柔らかい仕上がりにすること、それはつまり人が見て美しいと思えると同時に徒長を防止することにつながると思っています。
「切って良し、伸びて良し」が大切です。剪定直後はキレイだけど、その後汚い伸び方をするようではいかんのです。

シラカシ剪定前

シラカシ剪定後

ツツジ・サツキ刈り込み前

ツツジ・サツキ刈り込み後


サザンカ・ツツジ刈り込み前

サザンカ・ツツジ刈り込み後

マツ剪定前

マツ剪定後

モクレン剪定前

モクレン剪定後

カシ剪定前

カシ剪定後

スイリュウヒバ剪定前

スイリュウヒバ剪定後

クロガネモチ剪定前

クロガネモチ剪定後


ケヤキ剪定前

ケヤキ剪定後

コノテガシワ剪定前

コノテガシワ剪定後


サツキ剪定前

サツキ剪定後

カイヅカイブキ剪定前

カイヅカイブキ剪定後

シマトネリコ剪定前

シマトネリコ剪定後

2019年8月24日土曜日

シルバーさんよりお得な草刈り

恵那・中津川地域では、全国の他の農村同様に高齢化が進んでいます。

こちらのお宅も、かつては自分で草刈りできていたのが、高齢でなかなか思うようにできなくなっています。
シルバー人材センターさんに頼むにしても、シルバーさんも高齢化していて、なかなか来てくれないらしいです。
息子さんと同居しているらしいのですが、最近は息子さんもめちゃめちゃ仕事が忙しいらしく、草刈りまで手が回らないのだそうです。
そんな時こそ「山奉仕」を便利に使ってもらいたいものです。

今回は休耕田・畑・庭の草刈りです。

施工前

施工後

施工前

施工後

施工前

施工後
8月も後半になれば熱中症の心配もなく、作業できました。
最初に依頼された部分が半日で終わってしまったので、予定の倍の面積を刈ることができました。
施主さんからは「早いね~、シルバーさんの2倍出来たよ」とお褒めいただきました。
料金はシルバーさんより値段は高いかも知れませんが、より早く綺麗に仕上げる自信はあります。
今回は刈りっぱなしで、お掃除は施主さんが後でゆっくりやるとのことで、料金は15,000円でした。(※注:現在は値上がりして18,000円です。)
大変喜んでいただき、来年からは年3回お願いしたいとのことでした。
急に依頼されても仕事が立て込んでいて、すぐに行けないことが多いので、そのように事前に予約していただければ、定期的に予定を組むことができるので助かります。

2019年6月30日日曜日

あれもこれも「山奉仕活動」

神奈川県川崎市から岐阜県恵那市に移住して、自営で庭師として大好きな植物や自然に関われるのはとても幸せなことです。趣味なのか仕事なのか良く分からないですが、生活すべてが僕にとっては「山奉仕活動」になっています。

春には山菜を摘み、




タケノコを掘り、山の旬を味わっています。


ヨモギはお風呂に入れるととても温まることは、地元の奥さんに教わりました。


大量に飲むほうじ茶も、茶畑を借りて自分で刈って焙じます。





梅雨時期に梅をもがせてもらって梅干しに、


夏には子どもたちと魚捕り。




秋にはキノコ、

柿をもがせてもらって干し柿に、


自然薯を掘らせてもらって、、、本当に頂いてばかりです。


冬はイノシシ猟に励み、


次の春は自治会の皆さんと、シイタケの菌打ち。




自然の恵みを存分に頂いています。

農薬を使用しない米作りも、山奉仕活動の一環です。



ニホンミツバチを守ることも。


一方自宅回りのことだって、間伐材で物置を建てることも、


石垣を積むことも、


竹垣を作ることも、自然の物を頂いて、自然と調和するあり方を探しています。


もちろん、山づくり講習会に参加することや、


地域の山の保全活動に参加することは当然のことながら、



大きな意味で言ったら、神社の豊作を祈る祭りで笛を吹くことも、


人口減少対策に取り組むことも、



僕にとっては,どれもこれもすべて「山奉仕活動」なのです。

山法師(ヤマボウシ)の花

山奉仕ロゴ