今、AIを使って 『ねえ、植物ってなに?』という題名の絵本を作っています。
小学校高学年がメインターゲットですが、小学校低学年や中学生以上、大人まで、それぞれの読み方ができる本を想定しています。
『ねえ、植物ってなに?』は、植物の名前や知識をたくさん覚えるための本ではありません。
読み終えたとき、知識よりも疑問が増えている本です。
この本に登場する4人の子どもたちは、暮らしの中で植物を見つけながら、次々に疑問を持っていきます。光合成や花と種など植物の仕組みにも触れますが、知識を覚えること自体をゴールにはしません。
今は、分からないことがあればインターネットですぐに答えを探せる時代です。しかし、一つの答えが見つかれば、その先にはまた新しい疑問が生まれます。
植物も、自然も、人間も、人生も、分からないことばかりです。
分からないものを面白がること。 疑問を持ったまま、もう一度見ること。
そんな好奇心を、子どもたちに手渡したいと思って作った本です。
私は学者ではありません。庭師です。
庭師の仕事では、一本の枝、一枚の葉、芽や幹、根元の小さな変化を見る一方、その木が立つ庭、日当たり、水、山や川、人の暮らしまで見なければなりません。
植物を近くから見る「虫の目」と、周囲とのつながりを見る「鳥の目」。
この二つの視点が、この本にも入っています。
一本の木から始まり、食べ物、家、服、田んぼ、山、川、海、町、地下へ。植物そのものだけでなく、植物と人間の暮らし、その周囲にある世界を一緒に見る本にしました。
そして、その先にあるのが「植物愛」です。
食料、環境、地域、エネルギーなど、私たちの暮らしには簡単に答えの出ない問題がいくつもあります。この本で、それらを直接教えたいわけではありません。
道ばたの草に気づく。木を見上げる。食べ物や家や服の中にも植物を見つける。そして、「植物って、すごいな」「なんだか好きだな」と思う。
そんな気持ちが一人の子どもの中に育ったら、将来、自然や食べ物や地域を見る目、何かを選ぶときの基準が、ほんの少し変わるかもしれません。
まず、身近な植物を見ることから始めたいと考えています。
私は子どものころから、本を読むことがあまり得意ではありませんでした。
だから、この本は最初から最後まで順番に読まなくても構わない本にしました。
気になるページから見る。途中で閉じる。同じページを何度も見る。文章を読まず、絵だけを追いかける。
本を読むのが苦手だった大人が、本が苦手な子にも読める本を作る。
これも、この本で大切にしていることです。
| 第一章 導入 |
| 第7章 出穂のページ |
| 第5章 タンポポのページ |