2018年3月25日日曜日

アラカシ伐採

今回は瑞浪市土岐町の現場です。
狭い通りに幹周2m、高さ20mのアラカシ二本がそびえ立っています。近所から苦情が来ているので、これを伐採してほしいとのご依頼でした。
実際の作業以上に、自分を含めて4名の一人親方を、二日間に渡って拘束するのが難儀でした。
もちろん対物保険には入っておりますが、電線や隣の家の塀や屋根に落とさないことに十分注意しました。
前日には神官さんを呼んでお祓いも済ませ、準備万端です。

これが・・・

こうなりました。

別方向からも・・・

こうなりました。
と、写真で見るとあっけないですが、結構危険だし大変なんですよ。


一応作業中の写真もつけておきます。登り込みで切り落としております。道が狭いし、アスファルトも薄そうなので、思い切っては倒せないのです。



で、こうなりましたが、アラカシくんの生命力なら、またヒコバエをぐんぐん伸ばして来ることでしょう。
幹周2mもあるので、自分たちの持っているチェンソーでは切れず、今回は一人親方林業の方から大きいチェンソーを借りました。
ありがたいことではありますが、大事な道具を借りるのは申し訳ないので、今度からは自分で大きなチェンソーを買うことにしました。

そして、切り倒した木材ですが・・・


今回もゴミに出すのは忍びなく、ある地主さんのご厚意で、恵那市武並町の非常に便の良い、かつ大きい車も入れるような場所に保管しております。
地主さんは「カシならウチも一つもらって、餅つきの臼にしたい」とおっしゃっていました。
樫はその名の通り固くて充実しています。
木工にするも良し、薪にするも良し、ゲンノウや斧の柄にも向いています。
ほしい方がいらっしゃいましたら、メッセージをください。早い者勝ちです。
利用してもらえたらうれしいです。(了)

2018年3月20日火曜日

山奉仕スタイル

軽トラにステッカーを貼りました。
山奉仕スタイルで、駆け抜けます。
見かけたら気軽に声をかけてください。




2018年3月16日金曜日

庭の手入れと心の癒し

 今回は恵那市飯地町のK邸、移住後一年です。古民家を直すので精一杯で、広~い庭・田んぼ・畑・山にまで手が付けられずにいました。と言うか何年も荒れ放題で、どこから手を付けて良いのか分からず途方に暮れていた一年だったそうです。

施工前

 奥さんは山野草が好きな人なので、草刈り機でバタバタ刈ってしまうのではなく、どんな草であっても少しづつ残すように小さな鎌で選びながら切って、少しスッキリさせてみました。どこか少しでも綺麗になれば、やり方さえ分かれば、もっと他も綺麗にしたいと欲が出てくるのではないか?と考えました。

施工後

ほら、綺麗になりましたね。そして、ボッサボサだった草の下には、春の芽吹きが始まっていました。

ショウジョウバカマ

フキノトウ

スイセン

見事な野面積みの石垣も見えてきました。

 この一角が綺麗になったことで、奥さんは俄然元気を取り戻し、翌日はその先の一角の手入れを始めました。一年間まったく庭仕事に手を付けられなかった奥さんがです。庭に風が通ったことで、心にも風が通ったのでしょうか?希望が見えてきたことで元気を取り戻したようです。枯草の下に隠れていた小さな植物たちから勇気をもらったのかもしれません。
 庭師が年に一回入ったところで、やっぱり日常的に目を配ることはできません。住んでいる人と一緒に作っていかなければ維持できないのです。こちらとしても、これで強力な味方を得ることができました。それは施主さんにとっても「庭師という強力な味方を得た」と感じていることかもしれません。
 たかが庭の手入れですが、こうして人の心を癒したり整えたり、元気を与えたりすることができるのだと思うと、丁寧な仕事をしていくことは大切なことだと思わされました。

2018年3月11日日曜日

山の手入れと竹垣と垣根結びで一石三鳥!

 今回の依頼は恵那市笠置町のF邸の山の手入れ。家の後ろの竹藪のうっそうとした山の木を全部伐採してほしいとのこと。依頼を受けて山に入ると、込み入った竹の間には椿・アセビ・ミツバツツジなど、それほど大きくならずに綺麗な花の咲く木がたくさんあることが分かりました。コシアブラなどの美味しい山菜も。
 施主と相談の上、全伐採ではなく、竹や大きくなる木だけを伐採することにしました。全伐採では土が流れやすくなることのリスクも理解してもらいました。全伐採の方が手間は楽なのですが、お客様の要望と自然の両方のために良い方法を選びました。

F邸の裏山のうっそうとした山林

施工後

 その現場からほど近く、愛知県からこちらに移住されたばかりの、T邸の庭の手入れも依頼されました。こちらには生垣なのか?良く分からないヒノキが庭の周囲に生えています。

生垣伐根前

 こちらのT邸にはまだ1歳のお子さんがいます。子どもが飛び出すことも考えて見通しを良くするためにヒノキの生垣を伐採根することにしました。

生垣伐根後
  見通しは良くなりましたが、1歳の子どもがいると、石垣から落ちるんじゃないか?池に落ちるんじゃないか?など目が離せません。いっそのこと四ツ目垣で囲ったらどうか?というのがTさんと私の同じ思いでした。


四ツ目垣施工前

 で、F邸で同時に竹の伐採をやっていたので、その竹を使って四ツ目垣を作ることにしました。季節は2月。竹を切って利用するのには絶好の時期です。そして四ツ目垣なら見通しもよく、開放感もあります。Fさんにとっても「竹のゴミが減る上に、利用してもらるならそんな嬉しいことはない」とのことでした。これぞ一石二鳥。
 そこでもう一つアイデアが浮かびました。この地域では地域のお祭りが伝統的に続けられているのですが、神事やお祭りでは「垣根結び」がよく使われます。しめ縄を結ぶ時や門松を立てる時など、必ず「垣根結び」でするように言われます。しかし、この伝統が最近では継承しきれなくなっているのです。
 「垣根結び」とは庭業界では「男結び」「イボ結び」などと呼ばれていて、私たちにとっては修行の最初に覚えた技術の一つです。お祭りの時などにはいつも私が結び係になっています。「今度藤村くんに垣根結び講習会を開いてもらわなアカンな」と毎度言われているので、今回のT邸の現場作業を垣根結び講習会にしてみようと考えました。

 そんなわけで、地域の回覧板に載せました。




皆さん、集まってくれるか心配しましたが・・・


結構、集まってくれました。


 今までやったことのない人も、とにかく数をこなせば徐々にできるようになります。2時間ほどの講習で、皆さんとっても上手になられました。「一度にこんなに結んだことはないな」と、大変ご満足いただきました。
 F邸の山林と、T邸の庭と、地域の住民と、これぞ一石三鳥!


当然?ながら休憩時間には一杯。こちらもご満悦。



そして完成!


門扉も手作り。


地域の人たちが力を合わせて結んだ、どこにも真似のできない四ツ目垣です。Tさん、地域の皆さんに温かく迎えられて良かったですね。


立派なお宅です。恵那暮らしを満喫してください。(了)