2018年3月11日日曜日

山の手入れと竹垣と垣根結びで一石三鳥!

 今回の依頼は恵那市笠置町のF邸の山の手入れ。家の後ろの竹藪のうっそうとした山の木を全部伐採してほしいとのこと。依頼を受けて山に入ると、込み入った竹の間には椿・アセビ・ミツバツツジなど、それほど大きくならずに綺麗な花の咲く木がたくさんあることが分かりました。コシアブラなどの美味しい山菜も。
 施主と相談の上、全伐採ではなく、竹や大きくなる木だけを伐採することにしました。全伐採では土が流れやすくなることのリスクも理解してもらいました。全伐採の方が手間は楽なのですが、お客様の要望と自然の両方のために良い方法を選びました。

F邸の裏山のうっそうとした山林

施工後

 その現場からほど近く、愛知県からこちらに移住されたばかりの、T邸の庭の手入れも依頼されました。こちらには生垣なのか?良く分からないヒノキが庭の周囲に生えています。

生垣伐根前

 こちらのT邸にはまだ1歳のお子さんがいます。子どもが飛び出すことも考えて見通しを良くするためにヒノキの生垣を伐採根することにしました。

生垣伐根後
  見通しは良くなりましたが、1歳の子どもがいると、石垣から落ちるんじゃないか?池に落ちるんじゃないか?など目が離せません。いっそのこと四ツ目垣で囲ったらどうか?というのがTさんと私の同じ思いでした。


四ツ目垣施工前

 で、F邸で同時に竹の伐採をやっていたので、その竹を使って四ツ目垣を作ることにしました。季節は2月。竹を切って利用するのには絶好の時期です。そして四ツ目垣なら見通しもよく、開放感もあります。Fさんにとっても「竹のゴミが減る上に、利用してもらるならそんな嬉しいことはない」とのことでした。これぞ一石二鳥。
 そこでもう一つアイデアが浮かびました。この地域では地域のお祭りが伝統的に続けられているのですが、神事やお祭りでは「垣根結び」がよく使われます。しめ縄を結ぶ時や門松を立てる時など、必ず「垣根結び」でするように言われます。しかし、この伝統が最近では継承しきれなくなっているのです。
 「垣根結び」とは庭業界では「男結び」「イボ結び」などと呼ばれていて、私たちにとっては修行の最初に覚えた技術の一つです。お祭りの時などにはいつも私が結び係になっています。「今度藤村くんに垣根結び講習会を開いてもらわなアカンな」と毎度言われているので、今回のT邸の現場作業を垣根結び講習会にしてみようと考えました。

 そんなわけで、地域の回覧板に載せました。




皆さん、集まってくれるか心配しましたが・・・


結構、集まってくれました。


 今までやったことのない人も、とにかく数をこなせば徐々にできるようになります。2時間ほどの講習で、皆さんとっても上手になられました。「一度にこんなに結んだことはないな」と、大変ご満足いただきました。
 F邸の山林と、T邸の庭と、地域の住民と、これぞ一石三鳥!


当然?ながら休憩時間には一杯。こちらもご満悦。



そして完成!


門扉も手作り。


地域の人たちが力を合わせて結んだ、どこにも真似のできない四ツ目垣です。Tさん、地域の皆さんに温かく迎えられて良かったですね。


立派なお宅です。恵那暮らしを満喫してください。(了)