2018年3月16日金曜日

庭の手入れと心の癒し

 今回は恵那市飯地町のK邸、移住後一年です。古民家を直すので精一杯で、広~い庭・田んぼ・畑・山にまで手が付けられずにいました。と言うか何年も荒れ放題で、どこから手を付けて良いのか分からず途方に暮れていた一年だったそうです。

施工前

 奥さんは山野草が好きな人なので、草刈り機でバタバタ刈ってしまうのではなく、どんな草であっても少しづつ残すように小さな鎌で選びながら切って、少しスッキリさせてみました。どこか少しでも綺麗になれば、やり方さえ分かれば、もっと他も綺麗にしたいと欲が出てくるのではないか?と考えました。

施工後

ほら、綺麗になりましたね。そして、ボッサボサだった草の下には、春の芽吹きが始まっていました。

ショウジョウバカマ

フキノトウ

スイセン

見事な野面積みの石垣も見えてきました。

 この一角が綺麗になったことで、奥さんは俄然元気を取り戻し、翌日はその先の一角の手入れを始めました。一年間まったく庭仕事に手を付けられなかった奥さんがです。庭に風が通ったことで、心にも風が通ったのでしょうか?希望が見えてきたことで元気を取り戻したようです。枯草の下に隠れていた小さな植物たちから勇気をもらったのかもしれません。
 庭師が年に一回入ったところで、やっぱり日常的に目を配ることはできません。住んでいる人と一緒に作っていかなければ維持できないのです。こちらとしても、これで強力な味方を得ることができました。それは施主さんにとっても「庭師という強力な味方を得た」と感じていることかもしれません。
 たかが庭の手入れですが、こうして人の心を癒したり整えたり、元気を与えたりすることができるのだと思うと、丁寧な仕事をしていくことは大切なことだと思わされました。