「ヒトツバタゴ」は「なんじゃもんじゃ」とも呼ばれ、東アジアの中国や韓国にはありますが、日本には対馬とこの東美濃地域にしか自生していない珍しい木です。
日本列島が大陸と地続きだったことの証なんだとか。
私の住む恵那市笠置町の笠置山で、大正時代に本州ではじめて発見された木が、今も天然記念物としてご存命です。
この東美濃地域では、かつてこのヒトツバタゴを植えるのが流行った時期があったらしく、どのお宅のヒトツバタゴも皆大木に育っています。
今回は、大きくなりすぎたヒトツバタゴを、できる限り小さくとのご依頼です。
こういう大木の剪定は、なるべく根本に近い芽のある所で切ります。
芽のない所でブツ切りにすると、枯れ込んでしまう可能性があります。
根本側にたくさんの小枝があるように見えますが、陽の当らない根本側はすでに枯れていることが多いのです。
なるべく小さくと言われても、上の方しか芽が無ければ、低くできないか元から切るしかありません。
ここら辺がかなり難しい所です。
見ての通り、10段梯子でやっと下枝へ届く程度なので、登りこんで.切りますが、危険な作業であることも難しい所の一つです。
で、これが施工後です。だいぶ小さくなりました。
しかし植物の手入れは生き物ですので、実はこれで終わりではありません。
工業製品とは違って育つものです。
これから春になって芽が吹いてきて、その様子を見なければなりません。
枯れてくる部分もあるかもしれませんし、陽が当たって内側から新たな芽が吹いてくるかもしれません。
一年後に、どんな様子になっているかが楽しみです。